「四神」。聞いたことがありますか?四神とは、玄武・青龍・白虎・朱雀のことです。この名前は聞いたことがある人も多いでしょう。四神にはそれぞれ色々な属性があります。
ところで、「青春」という言葉がありますが、なぜ青と春なのでしょうか?これも四神と関係があります。
今回は四神や関連する思想を紹介していきたいと思います。
四神と様々な思想
四神とは、玄武・青龍・白虎・朱雀のことを言います。キトラ古墳や高松塚古墳の壁画に描かれていることでも有名です(高松塚古墳は朱雀欠)。
四神には陰陽思想、五行思想、風水思想等が関係しています。まずはこれらの思想について見ていきます。
①陰陽思想
陰陽思想とは、古代中国の思想です。世界に存在するものには、「陰」と「陽」という互いに対立する要素があるという考え方です。「明・暗」、「昼・夜」・「男・女」等です。この対極に位置する存在によってバランスが保たれ、自然の調和が維持されると考えられていました。
四神では青龍と白虎、朱雀と玄武がそれぞれ対となっています。壁画でも反対側に(向かい合って)描かれています。
②五行思想
五行思想は、陰陽思想と同じく古代中国で生まれた思想です。様々なものを5つの元素に分類して考えます。5つとは、木・火・土・金・水です。
5元素それぞれには、次のように季節が象徴されています。
木=春
火=夏
土=季節の変わり目
金=秋
水=冬
③陰陽五行思想
これらの五行思想と、先ほどの陰陽思想が結びついて陰陽五行思想が生まれます。
陰陽五行思想は、陰陽の2つと、五行の5つを結びつけて物事の判断を行います。
暦(こよみ)で、「きのえね」のように十二支の前に「きのえ」や「かのと」という言葉が付いているのを聞いたことがあるでしょうか?これは十二支に対して十干と言いますが、これも「兄(え)・弟(と)」の陰陽と木・火・土・金・水の五行を組み合わせたものです。「木+え」で「きのえ」、「金+と」で「かのと」といった具合です。
詳細は次の記事をご覧ください。
④風水思想
陰陽五行思想に古代中国の占い等が混ざり、紀元前4世紀頃に風水思想が成立したとされています。風水思想は気の流れを読み取り、様々な物の配置を重視します。
そのため、風水では陰陽や五行の要素から判断を行う必要があり、地形と方位を読み取る技術や思想が発達したのです。
風水思想と四神の関係ですが、四神には地形が当てはめられています(後述)。これは、風水思想の中の、地形を動物に見立てる考え方が基になっていると言えます。
四神の属性
ここまで四神に関わる思想を紹介しました。五行思想には季節が象徴されていましたが、四神にも季節をはじめとした色々な属性があります。次のようなものです。
①青龍
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青龍の属性は春、青、東、川です。龍は想像上の生物ですが、祖形は古代のワニとする説もあります。川の属性とも符合します。
②朱雀
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朱雀の属性は夏、赤、南、沼・池・湖・平野です。クジャクがモチーフの一つと考えられています。
夏は暑いので、色は燃えるような赤なのでしょうか?
平城京や平安京の北部中央にある大内裏の南の出入口は朱雀門、そこから南へ伸びる道は朱雀大路です。これも朱雀が象徴する方角が南だからでしょう。
③白虎
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白虎の属性は秋、白、西、道です。青龍とは対の存在で、胴体部分は同じです。青龍とは頭部と色が異なります。古くから龍と虎は対で考えられています。
④玄武
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玄武の属性は冬、黒、北、山です。玄武は亀と蛇が絡みついた姿です。これは亀を雌、蛇を雄とみた考え方によります。
冬のイメージの一つは北(北風とか)ですね(←私だけ?)。
四神に季節を当てはめるのは五行思想、地形を当てはめるのは風水思想が基になっていると考えられます。
古墳の壁画でも、壁面の方角(東西南北)とそこに描かれる四神が対応しています。
四神の属性を整理すると、下の表のようになります。

今も見かける風水
このような四神や思想は現在の生活とは関係無いように思います。が、実はひっそりと残っています。
①六曜
先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口という言葉を知っていますか?カレンダーによっては書いてあります。大安や友引は好まれ、仏滅や赤口は避けられます。
これらは六曜といい、陰陽五行でその日の吉凶を占うものです。吉凶の判断については、中国から日本へ陰陽五行・風水が入ってきた後に、日本で独自に進化した陰陽五行が基になっています。
②青春
「青春」という言葉の由来は何なのか?ここまで読んだ人はわかるでしょう。青龍の属性に青色と春がありました。これが由来です。
なお、青春は若者を象徴する言葉ですが、他にも壮年は「朱夏」、熟年は「白秋」、老年は「玄冬」と言います。それぞれ先ほど見た四神の属性どおりですね。
③大相撲の屋根の房
大相撲の土俵の上には、下の写真のような大きな吊屋根があります。

相撲を見ていて、この屋根をじっと見る人はいないですよね?よく見ると、四隅に色の違う房がぶら下がっています。色は、緑(青)・赤・白・黒の4色です。
そうです、四神の属性である色です。方角も色と一致するようです。これらは土俵を守護する意味で付けられています。
四神とその属性、関係する思想について見てきました。四神はキトラ古墳や高松塚古墳など、遠い昔のものですが、当時の思想(風水思想等)は現在も生きているのです。そう考えると、今の生活も長い歴史のもとに成り立っていることがわかるのではないでしょうか。
《参考文献》
- 『キトラ古墳壁画四神』(奈良文化財研究所飛鳥資料館、2010年)
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