ブログ名の由来~網野善彦「遍歴する人びと」から~

本ブログ最初の記事ということで、ブログ名である「遍歴(へんれき)」について書きたいと思います。「遍歴する人びと」は歴史学者の網野善彦氏の言葉で、歴史教科書ではなかなか見ることのない内容です。少しお堅い話になりますが、こだわりの名前でもあるので、ご容赦を…。

「遍歴する人びと」とは?

このブログのタイトルは「遍歴」です。

あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、「遍歴」を『広辞苑』(第七版)で調べると、「ひろく諸国をめぐり歩くこと」とあります。

私がこの言葉を知ったのは、大学で日本史を研究し始める前に、『週刊朝日百科 日本の歴史』の第6巻「海民と遍歴する人びと」(2002年7月7日発行)を読んだ時です。

「遍歴する人びと」を私ごときが説明するものではないですし、簡単に説明できるものでもありませんが、(拠点はあったとしても)一ヶ所に定住し続けて生活するのではなく、移動して生きていく、移動する必要がある職業の人びと、という感じです。例えば、船で往来する鋳物師、油売り、交易を行う人々等が挙げられています。

執筆者・網野善彦氏

この第6巻を主に執筆しているのは、網野善彦氏です。非常に有名な研究者で、研究者向けだけではなく、一般向けの著書も多くあり、その中でも遍歴する人びとについて書かれています。歴史に興味があってこのブログへ来ていただいた方の中には、知っている方もいるのではないでしょうか?

私は小学6年生で歴史を習ってから日本史が好きでしたが、教科書や歴史マンガにある範囲しか知りませんでした。しかし、この「海民と遍歴する人びと」を読んだ時に、「へぇ~、そんな人たちもいたんだ」と思いました。漠然と思っただけなんですが、聞いたことも無い話だったので、すごく新鮮に感じたのを今でも覚えています。

網野氏の名前を知ったのもこの時でした。もっとも、研究の道に入る前なので、「網野善彦って人が書いてるんだ~(←なぜか「網野」という名字が妙に記憶に残った)。どんな人だろ?」程度でしたが。

網野氏は研究者の間では様々な評価があるかもしれませんが、私にとっては、今まで知らなかった分野を教えてもらったと思っています。有名な『無縁・公界・楽』(増補版、平凡社、1996年)をはじめ、著書をいくつか読みました。その説が正しいか否かの評価は色々あるのかもしれませんが、とても面白かったです。「へぇ~」の連続です。なんか色々「なるほど!」です。皆さんも一読されてはいかがでしょうか?

さて、長くなりましたが、そんなこんなで「遍歴」という言葉は私の脳裏に焼き付いています。ブログを始めるにあたり、日本史の中を「めぐり歩く」ように、また歴史に関する所を実際に「めぐり歩いて」、色々な事を取り上げて紹介して行ければと思い、これをブログ名に使わせていただきました。今後もぜひお読みいただければと思います。よろしくお願いします。

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